東京労働局発表
平成20年5月30日
 



東京労働局雇用均等室
室     長 峯岸 とも子
地方育児・
介護休業指導官
 中橋 明子
電 話 03(3512)1611

個別紛争解決援助制度の範囲の拡大に伴い
労働者からの相談が急増!!

〜改正男女雇用機会均等法施行後1年の状況について〜

 平成19年4月1日より、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(以下「均等法」という。)が改正、施行され1年が経過した。(別紙1参照)
 東京労働局(局長 村木太郎)においては、均等法に関する昨年度の相談等の状況をとりまとめたところ、差別禁止の範囲の拡大、間接差別の禁止、妊娠・出産等を理由とした不利益取扱いの禁止、セクシュアルハラスメント等個別紛争解決援助制度の範囲が拡大されたことから、労働者からの相談が急増している。また、相談から、個別紛争解決援助の申請につながるものも増えており、東京労働局では改正均等法のさらなる周知徹底を図るとともに相談や個別紛争の迅速かつ適切な解決援助を行うこととしている。

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均等法に係る相談状況〜労働者からの個別相談(セクシュアルハラスメント、妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの)が急増〜

○ 雇用均等室に寄せられた相談の状況〈図1、表1〉

 平成19年度に寄せられた均等法に関する相談件数は4,490件で、前年度(4,288件)比4.7%と増加している。
 労働者からの相談件数は1,970件で、全体の43.9%を占め、前年度(1,042件)に比べ89.1%増加となっている。
 なお、平成18年度において、事業主からの相談が多いのは、改正法の内容についての事業主からの相談が急増したことによるものである。

〈図1〉東京労働局雇用均等室に寄せられた相談件数の推移
図1
* 労働者からの件数については、平成19年度については、男女労働者の相談件数、
平成18年度、平成17年度は女性労働者の相談件数となっている。以下同様。

 内容別に見ると、「セクシュアルハラスメントに関するもの」が2,444件と全体の54.4%を占め最も多くなっている。次いで、「母性健康管理措置に関するもの」(641件、14.3%)「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの」(519件、11.6%)の順になっている。

〈表1〉東京労働局雇用均等室に寄せられた相談状況
件(%)
相 談 内 容 労働者からの相談件数
平成19年度 平成18年度 平成17年度
件数 割合(%) 件数 割合(%) 件数 割合(%)
性差別 募集・採用に関するもの 264 5.9 270 6.3 280 9.3
配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新に関するもの 201 4.5 131 3.1 133 4.4
間接差別に関するもの * 106 2.4 - - - -
妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの 519 11.6 215 5.0 190 6.3
セクシュアルハラスメントに関するもの 2444 54.4 1271 29.6 999 33.3
母性健康管理措置に関するもの 641 14.3 1005 23.4 854 28.5
ポジティブ・アクション(事実上の男女格差解消のための自主的取組)に関するもの 69 1.5 138 3.2 73 2.4
その他 賃金・労働時間・深夜業の男女均等取扱い等に関するもの 246 5.5 1258 29.3 467 15.6
4490 100 4288 100 2996 100
* 平成19年度から、改正均等法により「間接差別に関するもの」が新たに加わった。

○ 労働者からの相談の状況〈表2、図2〉

 労働者からの相談を内容別に見ると、「セクシュアルハラスメントに関するもの」が最も多く1,532件と全体の77.8%を占めている。平成17年度は549件で全体の54.1%、平成18年度は629件で全体の60.4%と年々増加しているが、平成19年度における相談件数は、前年度の約2.4倍と急増している。
 次いで、「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの」(214件、10.9%)、「母性健康管理措置に関するもの」(105件、5.3%)の順となっており、「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの」についても、前年度(109件)の約2倍と急増している。
 「セクシュアルハラスメントに関するもの」や「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの」の相談が急増したのは、改正均等法により、セクシュアルハラスメント対策が強化されたこと、妊娠等を理由とする不利益取扱いの禁止が大幅に拡大されたこと、さらに個別紛争解決援助制度の範囲が拡大したことによるものと思われる。
 労働者からは、「セクシュアルハラスメントを受けたため会社の相談窓口に相談し、対応を求めたが、適切な対応がなされない。」「妊娠したことを上司に告げたところ、まわりに迷惑がかかる等を理由に自主退職を促された。」といった相談が寄せられている。
 また、改正均等法において、これまでの女性に対する差別の禁止から男女双方に対する差別が禁止されたことにより、男性労働者からの相談が増加し、相談件数1,970件のうち76件が男性労働者からの相談で、その80.3%(61件)が「セクシュアルハラスメントに関するもの」であった。

〈表2〉 東京労働局雇用均等室に寄せられた労働者からの相談状況
(件)
相 談 内 容 労働者からの相談件数
平成19年度 平成18年度 平成17年度
性差別 募集・採用に関するもの 23 14 24
配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新に関するもの 36 29 51
間接差別に関するもの 4 - -
妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの 214 109 99
セクシュアルハラスメントに関するもの 1532 629 549
母性健康管理措置に関するもの 105 157 156
ポジティブ・アクション(事実上の男女格差解消のための自主的取組)に関するもの 8 2 0
その他 賃金・労働時間・深夜業の男女均等取扱い等に関するもの 48 102 136
1970 1042 1015
〈図2〉東京労働局雇用均等室に寄せられた労働者からの相談内容
図2
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個別紛争解決援助の状況〜セクシュアルハラスメントに関する援助の増加〜

(紛争解決援助制度については、別紙2参照)

○ 労働局長による個別紛争解決援助の状況(均等法第17条に基づく援助)〈表3〉

 平成19年度における労働者からの均等取扱いに関する個別紛争解決援助の申立は、31件であり、前年度(20件)より増加している。
 内容をみると、「セクシュアルハラスメントに関するもの」が最も多く、14件の申立があった。
 次に多い「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの」の援助の申立は13件で、前年度(19件)に比べ減少した。
 東京労働局では、労働者、事業主双方から事情を聴取し、これらの事案の7割強が当局の援助により早期解決に至っている。

〈表3〉 労働局長による個別紛争解決援助の状況(均等法第17条に基づく援助)
(件)
  平成19年度 平成18年度
性差別 募集・採用に関するもの 0 0
配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新に関するもの 4 1
間接差別に関するもの * 0 -
妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの 13 19
セクシュアルハラスメントに関するもの * 14 -
母性健康管理措置に関するもの * 0 -
31 20
* 改正均等法により平成19年度から、間接差別、セクシュアルハラスメント、母性健康管理措置に関するものについて法第17条の援助が可能となった。

○ 機会均等調停会議による調停の状況(均等法第18条に基づく調停)〈表4〉

 平成19年度に受理した調停の申請は3件あり、機会均等調停会議において労使双方から事情聴取し、和解による解決を図っている。

〈表4〉 機会均等調停会議による調停申請(均等法第18条に基づく調停)
(件)
  平成19年度 平成18年度
性差別 配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新に関するもの 1 0
間接差別に関するもの * 0 -
妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの 1 1
セクシュアルハラスメントに関するもの * 1 -
母性健康管理措置に関するもの * 0 -
3 1
* 改正均等法により平成19年度から、間接差別、セクシュアルハラスメント、母性健康管理措置に関するものについて法第18条の援助が可能となった。
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助言・指導の状況〜依然として多いセクシュアルハラスメント防止対策に関する是正指導〜

○ 雇用均等室における助言、指導の状況(均等法第29条に基づく報告徴収)〈表5〉

 平成19年度は、247事業場を対象に報告徴収を実施し、このうち何らかの均等法違反のあった160事業場に対し、463件の是正指導を行った。
 指導事項としては、セクシュアルハラスメント対策に関するものが255件(55.1%)と半数を超えている。
 東京労働局では、法違反事業場に対して均等法に沿った雇用管理を行うよう指導を強化していくこととしている。

〈表5〉東京労働局雇用均等室における是正指導件数
(件)
  平成19年度
性差別 募集・採用に関するもの 19
配置、昇進、降格、教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新に関するもの 12
間接差別に関するもの 0
妊娠等を理由とする不利益取扱いに関するもの 0
セクシュアルハラスメントに関するもの 255
母性健康管理措置に関するもの 177
463




労働局長による行政指導事例

《セクシュアルハラスメントに関する事案》
● 女性労働者の相談内容
   社内において、上司が女性労働者の胸等に触る行為や性的発言をする等、セクシュアルハラスメントをたびたび繰り返したため、労働者が苦痛に感じて、セクシュアルハラスメントについて防止対策を講じるなど環境整備を求めたが、会社の認識が低く、対策が講じられず、被害に遭った労働者が就業意欲を低下させ、退職を選択するケースが生じている。
 就業規則に防止規定は盛り込まれているが、具体的な対応は実施されていない。
 社内での対応に期待はできないので、行政に指導を求めたい。
● 事業主からの事情聴取
   就業規則に防止規定は盛り込まれているが、労働者への周知が不十分であった。また、相談受付後の事実確認、行為者に対する処分はあいまいになっていた。再発防止は講じていなかったことを認めた。
● 労働局長による行政指導
   上記を踏まえ、事業主に対し、男女雇用機会均等法に定めるセクシュアルハラスメント対策を講ずるよう助言。
 事業主は、全労働者に向け、意識調査アンケートを行い、改めてセクシュアルハラスメントの防止方針を表明し、ハラスメントの内容を具体的に例示を挙げ、説明するとともに、再発防止対策として、全社員に向けた研修会を行い、法律に沿った措置を講じた。



労働局長による個別紛争解決の援助事例

《妊娠したことを理由とする雇止めに関する事案》
● 女性労働者からの申立て内容
   派遣元会社の営業担当から「勤務状況が良好なので、是非更新してください」と言われていたが、妊娠2ヶ月であることを伝えたところ、「ちょうど来月末で契約が切れるのでそれで終わりにしましょう」と一方的に雇用契約更新を拒否された。
 既に更新の意思はなくなったが、本来であれば契約更新されていたはずなので、派遣元会社に対して解決金の支払いを求めたい。
● 事業主からの聴取内容
   会社の人事責任者から事情を聴取したところ、「派遣社員が産休を取得すると派遣先に迷惑がかかると判断し、契約更新をしなかった。」と説明。
● 労働局長の援助
   労使双方の意見を踏まえ、事業主に対し、妊娠を理由として雇用契約を更新しないことは、妊娠等を理由とした不利益取扱いとして男女雇用機会均等法上禁止されていることから、会社は対応の仕方に問題があるため、解決金を支払うとともに、法律に沿った適切な対応をするよう助言。
● 結果
   事業主は対応の仕方に問題があったことを認め、今後は適切に対応することを約し、労働者に解決金を支払うとともに、申立者の希望に応じ、離職票の離職事由を会社都合に変更し、紛争は解決した。



機会均等調停会議による調停事例

《性を理由とする昇進・昇格の差別的取扱いに関する事案》
● 女性労働者からの申請内容
   女性であることを理由に昇格させてもらえない。男性であれば、上位級に格付けされているので、同級への昇格を求めるとともに、賃金の差額相当額の支払いを求めたい。
● 事業主の主張
   事業主は昇格基準は男女共通のものであり、申請者の業務遂行能力に問題があること、上司の指示を受け入れない、客や同僚とのトラブルが絶えないなどの理由により、申請者の資質や協調性について判断し、男女共通の基準に基づき格付けした。なお、同期入社の女性で上位級に格付けされている者、男性で上位級に格付けされていない者もおり、男女差別によるものではないと主張した。
● 結果
   機会均等調停会議において、双方の主張を総合的に勘案した上で、申請者に対する解決金の支払についての調停案の受諾を勧告。双方が受諾した。



第23回男女雇用機会均等月間の実施について
〜女性のプラスは企業のプラス〜
DO ! ポジティブ・アクション!!

 厚生労働省では、男女雇用機会均等法の公布日(昭和60年6月1日)を記念して、毎年6月を「男女雇用機会均等月間」と定め、職場における男女均等について、労使を始め社会一般の認識と理解を深める機会としている。
 本年は、別添要綱により月間を実施する。
 東京労働局における男女雇用機会均等月間関連事業は以下のとおりとなっている。

◇雇用均等行政関係講習会
日 時   平成20年6月23日(月)13:30~17:00
会 場   産業安全会館(東京都港区芝5−35−1)
内 容   男女雇用機会均等法について
 改正パートタイム労働法について
主 催   (社)三田労働基準協会、東京労働局
◇雇用均等行政協助員・子育てしやすい職場づくり推進協力員合同会議
 都内使用者団体、企業等に東京労働局長が委嘱している協助員・協力員に対し、ポジティブ・アクションの推進を促すため、平成20年6月5日(木)に、東京労働局において開催する。



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